
国内初のモロヘイヤ新品種「さぬきのヘイヤ」のことが丸わかり!
香川県農業試験場で「さぬきのヘイヤ」うんちく講座を受講してきました。

香川県で、日本初の育成品種モロヘイヤ誕生!
モロヘイヤは北アフリカや西インドが原産地と言われている野菜ですが、なんと香川県で初めて、国内で開発されたモロヘイヤの品種が誕生するのだとか。
その名も「さぬきのヘイヤ」。ダジャレのような名前(讃岐平野!)ですが、香川県農業試験場が開発した、正真正銘のモロヘイヤの新品種です。

2018年6月に種苗登録を出願しており、現在出願公表中です。
2019年7月13日、試験場が開催した「かがわのオリジナル農産物うんちく講座(さぬきのヘイヤ)」に参加し、気になる「さぬきのヘイヤ」についていろいろお聞きしてきましたので、その一部をご紹介いたします。


お話してくださったのは、研究員の小野茜さん。
スライド右下のイラストが気になりますね。小野さん作です。

柔らかくて茎まで食べられる!
さぬきのヘイヤは、従来品種よりも葉が大きく、柔らかく、食感がいいのが特長です。また、アントシアニンが少ないために、全体に赤みが少なく外観品質が高い(見た目が良い)という特長もあります。
従来品種の葉の付け根(托葉)には赤い部分がありますが、さぬきのヘイヤは托葉も茎も青く柔らかいので、従来品種では捨てられてしまいがちな茎まで、まるごと食べられます。


また、もう一つの特長として、節間(植物の茎の節と節の間のこと)が長いので、葉が密集しすぎず摘み取りやすいという良さもあります。
モロヘイヤがオリジナル農産物に選ばれた理由
まず、モロヘイヤは「野菜の王様」と言われるほど栄養価が高い。
また、栽培のしやすさという点からも魅力のある野菜です。
露地栽培で簡単に育ちますし、収穫適期(収穫のタイミング)は厳密に守らなくても味が落ちる、硬くなるなど品質の劣化はありません。
このような理由から県がオリジナル農産物として白羽の矢を立てたのがモロヘイヤだったというわけです。
香川県農業試験場の目標
「現在、香川県のモロヘイヤの収穫量は、全国的に見て10位くらいです。(断トツは群馬県)。新しい品種ができたからといって、一気に売れるわけではありません。たくさん採れるようにする(産地化)、美味しくする(高品質化)、省力化する(調整作業がかかるなどの弊害をクリア)…こういったことは、私たちの試験場の務めです」
このようにおっしゃる小野さんはやる気満々。
「讃岐平野をさぬきのヘイヤでいっぱいにすることが私の目標です。」
という言葉で講義を締めくくりました。
そしてモロヘイヤ畑を見学。これが「さぬきのヘイヤ」だ!
講義のあとは、農業試験場で栽培されている「さぬきのヘイヤ」を見学。
「さぬきのヘイヤ」と一般的なモロヘイヤが隣り合って栽培されています。

左が「さぬきのヘイヤ」、右の手前6株が従来品種、続いてさぬきのヘイヤです

一般的なモロヘイヤに比べ、葉が大きく、通常は赤い葉の付け根部分(托葉)が緑なのが特徴

一般的なモロヘイヤに比べ、葉が大きく、通常は葉の付け根の赤くなっている部分が緑なのが特徴

参加者のみなさんから質問の嵐。さぬきのヘイヤについて丁寧に説明する小野研究員
お待ちかね、「さぬきのヘイヤ」調理実習
モロヘイヤ畑の見学のあとは、いよいよ「さぬきのヘイヤ」を使った調理実習。
教えてくれるのは香川県農食アドバイザーで料理研究家の山中美妃子先生です。


まずは基本。
<溜め水洗い>
葉物野菜はボウルに溜めた水で洗い底に土などが溜まらなくなるまで水をとりかえて何度か洗うのが山中先生のおすすめです。
<アク抜き>
モロヘイヤにはほうれん草と同じくシュウ酸が含まれるので、調理の前に熱湯でさっと煮るなどアク抜きが必要です。

調理中のおしゃべりも楽しい、山中美妃子先生
今回、教えていただいたのは、「鶏もも肉とさぬきのヘイヤのオイスターソース炒め」「さぬきのヘイヤのとろろ冷奴」「さぬきのヘイヤのガスパチョ(冷製スープ)」の3種類。
どれも簡単に作れて、栄養価も高く、おすすめのレシピです。
1. 鶏もも肉とさぬきのヘイヤのオイスターソース炒め
彩りも綺麗。簡単に作れるご馳走メニュー。



2. さぬきのヘイヤのとろろ冷奴
モロヘイヤに、ちりめんジャコやトマトものって、栄養満点の冷奴。


3. さぬきのヘイヤのガスパチョ(冷製スープ)
スペインの夏の定番スープをモロヘイヤで。



最後に、香川県農業試験場の皆さん、山中先生と記念撮影。
とっても中身の濃い充実した「うんちく講座」でした。
みなさん、どうもありがとうございました。
うどんだけじゃない香川県!

さぬきのヘイヤのお土産もいただいて、大満足の取材でした。
