
モロヘイヤの町の人々は、みんな元気だった!
モロヘイヤの町、上郡の取り組み「モロげんきくん健康ポイント制度」

上郡町でひんぱんに遭遇するこの子は誰?
兵庫県の上郡町を訪れると、しばしば遭遇するキャラクターがいます。モロヘイヤの葉っぱのキャラクター「モロげんきくん」です。


モロヘイヤ粉末ラベルに、モロげんきくん。

ふりかけのパッケージに、モロげんきくん。

上郡町観光案内所の入り口にも、モロげんきくん。

モロヘイヤ農園にも、モロげんきくん。
実はモロげんきくん、栄養価の高い上郡町特産のモロヘイヤをPRするための専任キャラクターなんです。
「モロげんきくん」というネーミングは、2012年の一般公募で選ばれた愛称で、「名前の中に『モロヘイヤに栄養価が高いこと』が表現されている」という理由で決まったそうです。
「モロげんきくん健康ポイント制度」とは?
上郡町には「モロげんきくん健康ポイント制度」というものがあります。どんな制度なのか、上郡町の保健センターに伺って、健康福祉課の高橋さんにお話を聞きました。

健康福祉課 保健センターの高橋さん
この制度は「町民のみなさんの健康づくりのきっかけになれば」と、2015年に始まった上郡町の健康事業のひとつ。高校生を除く18歳以上の町民および町内在勤者なら誰でも登録申請してポイントスタンプ台紙「上郡町モロげんきくん元気帳」をもらうことができます。

上郡町モロげんきくん元気帳
健康に関係がある対象イベントに参加するごとにポイントが貯まり、100ポイント貯まると、町内のお店で使える商品券の引換券と交換できるしくみ。
現在登録者数は2,000人ほど。全体の人口が15,000人であることを考えると、とても高い割合です。
人気の秘密は…
まず、ポイントの貯まる対象イベントがとても多いこと。町が主催するものだけでも50以上。内容も、ジムやウォーキング、ヨガ教室など、体を動かすイベントだけでなく、料理教室や食育講座などの座学や献血なども対象になっており、バラエティに富んでいます。
また、一般の人でも、健康増進につながる活動を10人以上で行なっている場合、申請することができ、活動内容に応じてポイント付与の対象事業にすることができます。
さらに、企業内で行われる健康診断やクラブ活動などにまでポイント付与の対象枠を広げ、会社で働く人にも参加しやすい制度としているのです。
100ポイントでもらえる商品券は町の商工会の登録店舗で使えます。継続して健康イベントに参加する励みになっているようです。
この制度が健康増進にどのくらい寄与しているか、データこそでていませんが、参加者のアンケートでは、「健康意識が高まった」「病院にあまり行かなくなった」「風邪をひかなくなった」「ご飯がたくさん食べられるようになった」など上々の評判だそうです。
2020年9月までという期限付きで始まった制度ですが、期限を延長して2024年3月まで続ける見込みとのこと。全国の市町村でもやっていただきたい取り組みだと思いました。
上郡町のキャラクターを
ご紹介!
上郡町には、「モロヘイヤPR担当、モロ元気くん」の他に、「円心くん」と「エイトちゃん」というキャラクターがいます。

一番左の「円心くん」は、鎌倉時代から南北朝時代にかけて活躍した武将、赤松則村(出家後の法名が「円心」)をモデルにしたキャラクターです。赤松則村は、足利幕府誕生のキーマンとも言われる中世の播磨を代表する武将で、現在の上郡町出身だそうです。
中央の「エイトちゃん」は、大型放射光施設「Spring-8」をイメージしたキャラクターで、未来の女の子。
「Spring-8」は、播磨科学公園都市にある直径約500mの大きな円形の施設。太陽の100億倍もの明るさに達する「放射光」を作り出せる研究施設で、「Spring-8」が作り出すビームは世界最高レベルのエネルギーや明るさ、安定性を誇るのだそうです。
「円心くん」は上郡の「歴史」をアピールするキャラクター、「エイトちゃん」は世界のハイテクをリードする上郡町の「未来」をアピールするキャラクター。そしてモロ元気くんは「上郡産モロヘイヤ」をPRするための専任キャラクターです。
それぞれ役割分担しているわけですね。