モロヘイヤ効果研究所

松阪市の農産物をふんだんに使った、市民による子ども向けスイーツ開発プロジェクト

子どもの食を見直すとともに、地域の活性化にもつなげる「まつさか☆こどもスイーツプロジェクト」とは

まつさか☆こどもスイーツプロジェクトまつさか☆こどもスイーツプロジェクト

ママたちの想いから生まれたスイーツ「ぱりぽりん」

子どもたちに安心して食べさせられるおやつを作りたい!
松阪市民のそんな想いから生まれたスイーツが、米粉の焼き菓子「野菜たっぷり! ぱりぽりん」です。

野菜たっぷり ぱりぽりん

「野菜たっぷり! ぱりぽりん」。味は、「かぼちゃ」「モロヘイヤ」「ビーツ」の3種類。

米粉をはじめ、モロヘイヤやカボチャなど、松阪の農産物をできる限り使用し、栄養も愛情もたっぷり詰め込んだ「ぱりぽりん」。
たくさんの人が入荷待ちする、人気のスイーツです。

開発したのは、子育て中のママを中心とした一般市民。開発期間はたった半年。どのようにして、この人気スイーツは誕生したのでしょう。

プロジェクトの発起人、子育て応援プロジェクト☆パイン代表の酒井由美さんにお話を伺いました。

子育て応援プロジェクト☆パイン代表の酒井由美さん

子育て応援プロジェクト☆パイン代表の酒井由美さん

子どもたちの食が危ない!

酒井さんは、東京からの移住者。ご自身の産後うつの経験から、子育て世代を支援する団体を作りたいと「子育て支援プロジェクト☆パイン」を立ち上げました。

子育て支援の活動の中で、浮かび上がったのが、「子どもの食」に対する危機感。

添加物や食材自体の安全性、増えるアレルギー等の疾患、子どもの好き嫌いへの間違った対処…。野菜嫌いのこどもに屈し、グミなど甘いものを与えてしまう親、毎食メロンパンや、朝食はカルピスだけ… などという話も当事者から直接聞くことになり、事態の深刻さを実感したといいます。

無いなら作ろう、自分たちの手で

子どもたちに食べさせたい安心安全な美味しいスイーツ。なかなか手に入らないなら自分たちの手で作ろう、と企画したのが「まつさか☆こどもスイーツプロジェクト」でした。

2019年5月にプロジェクトチームの有志を募り、6月下旬、35名のメンバーが決まりました。

まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
まつさか☆こどもスイーツプロジェクト

メンバーは子育て中のママが中心。35名の中には、開発メンバー以外に、多くの託児ボランティアの方が含まれています。

素人集団ながら、皆がそれぞれに得意分野を生かせるチームが誕生しました。

また、プロジェクトの主旨に賛同してくれる企業も現れました。
松阪市内でカフェを展開するシティ・ホールディングス株式会社がご支援くださり、JA松阪からは、松阪産のカボチャとモロヘイヤをご提供いただけることになりました。

安心安全なスイーツを作ると同時に、地元産野菜を使ったスイーツの開発・販売で地域産業の活性化に貢献できればという思いを持って、プロジェクトはスタートしました。

限られた時間で、試作に次ぐ試作

ところが、新商品の開発は想像以上に大変だったそうです。

材料によってテーマを決め、開発メンバーそれぞれが自宅で試作。週2回、自信作を持ち寄って試食。これを100回以上重ねました。

まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
まつさか☆こどもスイーツプロジェクト

メンバーほとんどが子育てママのため、1回のミーティング時間は3時間。限られた時間の中で、試作や試食、話し合いを、その都度、集中して行います。

まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
まつさか☆こどもスイーツプロジェクト

特産品モロヘイヤをもっと活用したい

8月3日に開催される松阪市の「七夕まつり・鈴の音市」で、試食ブースを出店することが、7月に入って決まりました。

数々の試作の中から選ばれたのは「ぱりぱりクッキー」「もっちりパンケーキ」「カラフルサンド」の3種類。
どれも「松阪産米粉」と「松阪産モロヘイヤ」を使用しているスイーツです。

まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
まつさか☆こどもスイーツプロジェクト

モロヘイヤは、とても体にいい野菜で、しかも松阪市の特産品。…にも関わらず、実は若い世代には、あまり食べられていないということがわかってきました。

「まつさか☆こどもスイーツプロジェクト」のメンバーも、モロヘイヤに馴染みのない人が多かったそうで、県外から転入してきたメンバーの中にはモロヘイヤを知らないという人さえいたのだとか。

そこで、今回のスイーツにはふんだんにモロヘイヤを取り入れ、子どもたちにも、その存在をアピールしたい、という狙いもありました。

新たな課題、そしてJA松阪の協力

生地に混ぜる野菜の1つがモロヘイヤでしたが、苦労したことは、ネバネバしてベースとなる米粉とうまく混ざらないこと、カリッと焼けないこと。また、子どもが苦手な青臭さをどう消すかということも課題でした。

試行錯誤を重ね、モロヘイヤ問題は、葉を乾燥させて粉末にして使うことで解決。JA松阪の協力により、約300袋の「まるごと三重モロヘイヤ※1」をビニールハウスいっぱいに広げて乾燥させ、粉末にして使用したそうです。

※1 三重県産モロヘイヤのブランド商品。

300袋のモロヘイヤをビニールハウスで乾燥させる様子は、松阪市行政チャンネルの動画でご覧ください。

「七夕まつり・鈴の音市」で、試食モニター

8月3日、松阪駅前での「七夕まつり・鈴の音市」で、試食ブースを出店。たくさんの方に食べていただき、アンケートを実施しました。

鈴の音市に出店 まつさか☆こどもスイーツプロジェクト

左から「ぱりぱりクッキー」「もっちりパンケーキ」「カラフルサンド」。

鈴の音市に出店 まつさか☆こどもスイーツプロジェクト
鈴の音市に出店 まつさか☆こどもスイーツプロジェクト

この試食アンケートをもとに、さらに試作と改良、話し合いを重ねていき、11月の氏郷(うじさと)まつりで販売するスイーツを完成させていきます。

ついに完成!「ぱりぽりん」

11月の氏郷まつりで販売する商品は、米粉で作った野菜クッキー「野菜たっぷり!ぱりぽりん」と、松阪産モロヘイヤパウダー「モロ姫ちゃん」に決定!

野菜たっぷり!ぱりぽりん

「野菜たっぷり!ぱりぽりん」

松阪産モロヘイヤパウダー「モロ姫ちゃん」

松阪産モロヘイヤパウダー「モロ姫ちゃん」

小麦粉ではなく、三重県産の米粉を使ったグルテンフリーの「ぱりぽりん」は、卵や乳も不使用。アレルギーを持つお子さんも食べられます。

カラフルな5色のクッキーは、(緑)松阪産モロヘイヤ、(黄色)松阪産かぼちゃ、(黒)練り黒ゴマ、(白)甘酒、(赤)ビーツ、というラインナップ。
クッキーなのにパリンと割れる固さが特徴。噛む力を育てるために少し硬めに仕上げてあります。

特徴的な形は、松阪市で生まれた国学者「本居宣長」にちなんで、鈴の形をしているのだそうです。(注:本居宣長は、鈴を愛した鈴コレクターだったそうです)

作ったのは「子どもたちに安心安全なスイーツを食べさせたい」と願う、地元松阪市民の有志。栄養と愛情がぎゅっと詰め込まれたスイーツなのです。

氏郷まつり まつさか☆こどもスイーツプロジェクト

11月3日 氏郷まつりの販売ブースにて

「まつさか☆こどもスイーツプロジェクト」のさらなる展開

「氏郷まつり」でテスト販売した「ぱりぽりん」は、さらに商品として改良され、2020年4月に、正式に商品化されました。5つの味のうち、子どもたちの投票で最終的に選ばれたのは、「かぼちゃ」「モロヘイヤ」「ビーツ」の3種類。

ぱりぽりん

また、第2弾の開発商品として、松阪産モロヘイヤパウダーを使った「モロ姫ちゃんクッキー」を完成。2019年12月、シティ・ホールディングス株式会社が展開する「珈琲屋らんぷ」光町店の10周年記念キャンペーンで、店頭での無償配布を実施しました。

モロ姫ちゃんクッキー
モロ姫ちゃんクッキー

アイデア豊富な企画ウーマンの酒井さんに、モロヘイヤを活用する、次なる一手のアイデアをきいてみました。
「介護食」「災害食」「離乳食」、この3つにモロヘイヤを活かせるのではないか、とのことでした。モロヘイヤの高い栄養価やくせの無い味、のどごしなど考えると、大いに期待が持てそうですね。

酒井さんの活動、そして「まつさか☆こどもスイーツプロジェクト」の今後にも目が離せません!

「ぱりぽりん」のご注文について

ぱりん!ぽりん!という食感を大事にしている「野菜たっぷり!ぱりぽりん」は、手焼きでしか焼けない薄さ。量産できないのが悩みです。「まつさか☆こどもスイーツプロジェクト」の担当者が2人で頑張っていますが、現在、たくさんの人をお待たせしてしまっている状況とのことです。
今後の販売予定など、お問い合わせは以下まで。

シティ・ホールディングス株式会社
TEL 0598-30-6620

酒井さんと永原隊長

酒井さんとモロヘイヤ応援隊 永原隊長(注:酒井さんも後日、モロヘイヤ応援隊にご入隊いただきました。隊員番号:三重001)

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