モロヘイヤ効果研究所

トップアスリートの栄養管理を手がける公認スポーツ栄養士、橋本玲子先生インタビュー

公認スポーツ栄養士・橋本玲子先生がアスリートにおすすめする最強野菜は、モロヘイヤだった!

公認スポーツ栄養士、橋本玲子先生インタビュー

ラグビートップリーグやプロサッカーチームなど、トップアスリートの食事と栄養面のサポートを行っている 株式会社 Food Connection 代表取締役、公認スポーツ栄養士の橋本玲子先生に、アスリートにとっての野菜の重要性、とりわけモロヘイヤについて、オンラインでお話をうかがいました。

そもそも公認スポーツ栄養士とは?

公認スポーツ栄養士という資格を、今回初めて知ったのですが、どのような資格なのでしょうか?

橋本先生:確かに、認知度は低いかもしれませんね。公認スポーツ栄養士の資格制度は、2008年に日本栄養士会と日本スポーツ協会が共同で認定する資格として始まりました。

目的は、日本のスポーツ人口を、健康の維持・増進のためと、競技力向上のために、食の面から支えるプロを養成することです。

プロスポーツ選手やトップアスリートだけでなく、一般のスポーツ愛好家や、健康のためにスポーツをしている高齢者、スポーツチームに所属する子どもたちまで、スポーツに関わる人々を幅広くサポートします。

日本でのスポーツ栄養の歴史は30年程度ですので、まだ新しい資格だと言えます。2019年10月の段階で、認定者数は、374名です。

意外と少ないのですね。

橋本先生:はい、スポーツの数や年齢層の幅を考えると、決して多くはない数です。ただ、ここ最近、人気が高まり、若い学生さんや栄養士の間では憧れの職業になってきています。

プロスポーツの分野で活躍できることが華やかに見えるのだと思いますが、プロを相手にしている以上、結果を求められますので、チームの成績が悪ければ契約を切られる場合もありますし、厳しい面もあります。

一口にスポーツと言ってもいろんなタイプがありますし、かなり広い守備範囲が求められそうですが…。

橋本先生:おっしゃる通りで、スポーツ種目によって競技特性が違いますので、食事の仕方も異なってきます。
ですから、多くのスポーツ栄養士は、専門の分野・競技があります。私の場合は、サッカーとラグビーに長く携わっています。

プロサッカーチームのサポートや、ラグビートップリーグのサポートのお仕事など、どのように始まったのでしょうか?

橋本先生:私は、まだ日本でスポーツ栄養学の存在がほとんど知られていなかった20年前、アメリカのスポーツ栄養士の書いた本でスポーツ栄養のことを知って感銘を受け、独学で勉強しました。
「これからのアスリートには栄養の知識が必要となる」と確信し、スポーツ栄養の重要性を説いて歩いた結果、プロサッカーチームのアドバイザーとしての契約が決まり、そこからスポーツ栄養士としてのキャリアがスタートしました。

アスリートにとって、野菜は必要?

アスリートにとっても、野菜は必要でしょうか?

橋本先生:もちろん必要です。スポーツ選手は、主食となるご飯、パン、麺類などの炭水化物や、肉や魚などのタンパク質は積極的に食べますが、野菜は意識して摂取しないと、不足しがちです。

成長期の子供は、野菜はあまり好きではない場合も多いですし、進んで食べることも少ないです。

私の場合は普段、男性アスリートを対象にしていますが、若い選手の中には、野菜が苦手な人、摂りたがらない人も多いです。若いうちは、体力もあり、あまり疲労がたまらないので、無理して野菜を食べる必要性を感じないのです。

しかし、食べたものをエネルギーに変えたり、筋肉を作るのに必要なビタミン、ミネラルが足りていないと、体も大きくならないし、結局は強くなれない。

若手のアスリートには、そういったことを根気よく伝え、啓蒙していくことも大切だと考えています。

ただ、ある程度の年齢になると、変わってくる面もあります。

あるサッカー選手は「25歳を過ぎると疲れが抜けにくくなる」と話してくれました。また、あるラグビー選手は「より強くなるために食事を見直してみようと思った」と言っています。

ある程度のところまでいって、もっと強くなりたい、もっと疲れを早く取りたい、と感じた時に、「食事を見直してみよう」と考える選手が増えてきます。

年齢が上がって、実感される選手が多いということですか?

橋本先生:はい、多いですね。
やはり、自分が必要性を感じていない時に、外からいくら言われても、なかなか積極的に変えようとは思えないものです。

だから栄養の話をするのも、タイミングとしては、例えば怪我をした時なんかがいい(笑)。

怪我からの回復も、食事と関係があるのでしょうか?

橋本先生:あります。ケガなどのストレスがかかると、多くのエネルギーや栄養素を消費すると言われていますし、栄養状態を良くすることはケガからの回復を早めることにつながると思います。

アスリートにとってのモロヘイヤ

モロヘイヤは、アスリートにおすすめですか?

橋本先生:はい。トップアスリートというと、たくさん食べるイメージがあるかもしれませんが、トップレベルの選手は、炎天下でものすごくハードな練習をするので、練習の後に食欲がなくなってしまう選手が多いです。
また試合前のストレスによる食欲低下などもあり、いつでもたくさん食べられるわけではないのです。

そのような場合、胃に負担をかけず、少ない量でたくさんの栄養を摂ることが必要になりますが、モロヘイヤにはアスリートに必要な栄養素がとても多く含まれていて、理想的な食材といえます。

具体的にはどのような栄養素ですか?

橋本先生:カルシウムは100gあたりの換算で牛乳の約2.5倍含まれますし、カルシウムが骨に沈着するのに必要なビタミンKも多い。糖質やタンパク質をエネルギーに変換するために必要なビタミンB群も豊富に含まれます。また、タンパク質から筋肉を作り、傷ついた筋肉を修復する際にもビタミンB群が必要です。

栄養素ではありませんが、ネバネバの食感で喉越しがよく、食欲が低下している時でも食べやすいという利点もあります。

実際メニューで出されたことはありますか?

橋本先生:今までクラブハウスの食堂で試してみたのは、モロヘイヤとニンニクを入れた卵スープや、韓国海苔やごま油をかけたモロヘイヤのお浸し、それから餃子にも、ニラやキャベツの代わりにモロヘイヤを使ったことがあります。

選手の食欲がない場合に、刻んで粘りを出したモロヘイヤをご飯やそうめんにのせて食べることをお勧めしたこともあります。

ネバネバ食品は、欧米人は苦手という話を聞いたことがありますが。

橋本先生:そうですね。私がサポートしているラグビーチームでは、海外の選手が加入すると最初に納豆を食べさせるという慣習があって(笑)、食べ慣れないので、最初はびっくりするようです。でも、海外の選手は、栄養の摂取に対して貪欲で、体にいいものはどんどん取り入れますから、慣れてくると普通にお箸で納豆をこねて、美味しそうに食べている外国人選手も多いですよ(笑)。

ご飯と味噌汁とおかず、という日本食がおすすめ

先生の著書『スポ飯』を読ませていただきました。

橋本先生:ありがとうございます。この本は、20年近くスポーツ栄養士として活動する中で、現場でお母さんたちから決まって聞かれる質問をまとめた本です。料理が苦手な方、時間が無いお母さんもいらっしゃいますので、できるだけ簡単に作れる料理をご紹介しています。

スポ飯 世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに

『スポ飯 世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに』
橋本 玲子(著)

この本に書かれていた、あるプロサッカー選手の「食」にまつわる体験談が印象的でした。

橋本先生:はい。子どもの頃から注目され、プレーしてきた選手ですが、中学2年の頃、急に走れなくなり周りを心配させたことがあったそうです。

その時期の彼は、練習が終わるのが遅いため、コンビニで菓子パンなどを食べてから帰宅。すると、お腹がいっぱいになり、家で栄養バランスを考えて作ってくれていた夕飯は7割程度しか食べられず、食生活が乱れた時期だったのです。

その後彼は、高校で栄養指導を受けて、「今自分の体に何が必要か」を理解し、気をつけるようになりました。
食事内容が、コンディションに直結することを、身をもって体験し学んだようです。

また、プロになり、海外のクラブチームでプレーするようになった彼は、現地の食事で太ってしまうという体験をしました。そして、日本人には日本食があっている、という考えに至り、食事内容を和食中心に変えて調子を戻しました。

「練習と同じくらい食事が大事だ」ということが身に染みてわかったと言っています。

有名スポーツ選手が言うと説得力がありますね。

橋本先生:はい。彼は、「若い世代の選手たちに、サッカーにも食事が大切なことを知って欲しい」と、積極的に体験談を語ってくれているのです。

『スポ飯』の中で、もう1つ印象に残ったことですが、トップチームの外国人選手や監督が日本食の素晴らしさを語っていましたね。

橋本先生:低脂肪、高タンパクでビタミン、ミネラルが豊富な日本食の素晴らしさは、海外からも非常に注目されています。

「サプリメントで補わなくても、日本食には全て入っているじゃないか」と、羨ましがられます。

日本のチームに所属する外国人選手は、日本食のメリットを理解して、積極的に和食を取り入れる人が多いです。一流の選手ほど、好き嫌いよりも「体にとってどうか」で食べるものを決めるようです。

最後に、アスリートの人たちにメッセージをいただけますか?

橋本先生:今やスポーツをする若者たち、子供たちは世界を目指しています。世界を目指すときに、海外のアスリートが食べているものを真似するのではなく、日本人の体質に合い、栄養価もすぐれた日本食を積極的に取り入れてほしいと思います。そして日本の食文化がどれほど優れているかを、スポーツをしている人たちから発信してほしい、という思いがあります。

スポーツをしているお子さんを持つお母さんたちに、何かメッセージはありますか?

成長期に必要な栄養を過不足なくとらなければならない子どもたちには、ぜひお米を中心とした日本食をもっと食べて欲しいと思います。

栄養のことはあまり難しく考えず、「昨日は野菜が少なめだったので、今日は多めに」くらいの気持ちでOK。栄養バランスは、1日単位ではなく、1週間単位くらいで考えればいいのです。

食事は本来楽しいもの。毎日の食事を通して、そのことを子供に伝えることもとても重要です。

もともと食べることに興味が無い選手には「食事によるコンディション作りや体作り」と言っても、なかなか響かないことが多いです。子供のうちは好き嫌いがあっても大丈夫。いろんな食体験を通じて、食べる場が楽しいと感じる経験を、たくさんさせることが大切なのではないかと思います。

今日は、大変ためになるお話、ありがとうございました。今後も先生のご活躍に期待しています。

橋本 玲子先生 プロフィール

株式会社 Food Connection 代表取締役
管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ 2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビートップリーグ・パナソニック ワイルドナイツ(2005年~)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。

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『スポ飯 世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに』橋本 玲子(著)

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