
アーユルヴェーダの食養生に習い、薬効を秘めた食材を使った本格ヘルシーカレー
千葉市稲毛区にあるカレーの名店「SHIBA(シバ)」の人気メニュー「モロヘイヤカレー」

「医食同源」の考え方を取り入れた正統派カレー
千葉市、JR総武本線稲毛駅のすぐ近くにモロヘイヤカレーが人気のインドカレー屋さんがあります。
お店の名前は「SHIBA(シバ)」。
創業者である柴崎廣(ひろし)さんはすでに他界されていて、現在は息子さんの柴崎武志さんが店主となり、お姉さんの瑞穂さんと一緒にお店を切り盛りされています。
お二人にお話を伺うことができました。

店主の柴崎武志さん

お姉さんの川下瑞穂さん
シバは「医食同源」の考え方を取り入れたお店。アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)の食養生に習い、薬効を秘めた食材を使ったヘルシーな料理がいただけます。
創業者の柴崎廣さんは、元自衛官でしたが、1985年、33年間務めた海上自衛隊を辞めて、突然レストランを始めたそうです。
しかし独学で学んだカレーでは限界があったのか、創業後、味のヒントを求めて行ったネパールでアーユルヴェーダを学ばれたのだとか。
モロヘイヤを使い始めたのは1991年。
「モロヘイヤをうちのカレーに使う」と言い出した時のお父さんの様子を瑞穂さんがよく覚えていました。
「栄養があって、とてもいい野菜。絶対にカレーに合う」と、熱心に研究していたそうです。
柴崎廣さんは、高校時代から登山が趣味でした。山歩きをして見つけた山菜など、植物に詳しかったこともあり、モロヘイヤの可能性に注目したのも早かったのではないかということです。
高い栄養価もさることながら、モロヘイヤのネバネバは、小麦粉を使わないで作るシバのカレーに適度なとろみを与え、とても美味しいカレーができました。
それから28年。チキンのカレーベースにモロヘイヤを入れた、モロヘイヤカレーは今も変わらずシバの人気メニューの一つです。

伝統を学びつつ、新しいことにチャレンジ
店内の飾り棚に置いてあった、「インド料理をめぐる冒険」という文庫本に目が止まりました。

創業者、柴崎廣さんの写真と「インド料理をめぐる冒険」
後で調べて知ったことですが、この本は、「東京カリ〜番長」という男性数人の出張料理ユニットの一人、水野仁輔氏が日本全国のインド料理店を訪ね、そのシェフの料理人人生を取材して書いている文庫本のシリーズです。
16巻発行されている「インド料理をめぐる冒険」の3巻目が柴崎廣さんのインタビューなのです。

水野仁輔氏著「インド料理をめぐる冒険」
パラパラとめくってみると、日本最古のインド料理専門店「銀座ナイルレストラン」の初代オーナー、A. M. ナイル氏やその息子でタレントでもある2代目オーナーのG. M. ナイル氏とも親交があり、シバの開店当時は、G. M. ナイル氏が食材やスパイスを持参でカレーの作り方を教えに来てくれたという話などが紹介されていました。
どうやら、「自衛官をやめてカレー屋をやったらどうか」と廣さんに勧めたのは、ナイル氏のようです。
廣さんは、新しいことへのチャレンジを登山に例え、「一歩目を踏み出す前に、今日は危ないんじゃないかって不安になることがある…でもね、十メートル行ったらそれで腹が据わる。そんなもんなんだ」と言っていたそうです。
正統派のインド料理やアーユルヴェーダを学びつつも、廣さんは、普通はインド料理では使わない食材、例えば海藻なども含め、いいと思った食材を使うことには躊躇がなかったといいます。
廣さんがカレーにモロヘイヤを使ったのも、きっとそんなチャレンジ精神からなのかもしれませんね。
ヘルシーで美味しいモロヘイヤカレー、ごちそうさまでした!

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