
無農薬のモロヘイヤを自家栽培
秋田の農家レストラン「ゆう菜家」さんで、モロヘイヤ三昧!

行列ができる農家レストラン
秋田市にモロヘイヤ麺が人気のレストランがあるときいて行ってきました。農家レストラン ゆう菜家(ゆうなや)です。
田畑に囲まれた田舎道に突如、ランチの順番を待つ行列。みなさんのお目当ては自家栽培のモロヘイヤを使ったモロヘイヤ麺と野菜の料理です。
オーナーの浅野育子さんにお話をききました。

オーナーの浅野育子さん。
そもそもの始まりはそば打ち教室
たまたま参加したJA主催の『そば打ち教室』で山芋を「つなぎ」に使ったそばを見て、ご自身で栽培しているモロヘイヤでも麺ができないかと思いついたのがきっかけだそうです。
チャレンジ精神旺盛な育子さんが早速試してみたところまずまずの出来。それから試行錯誤を重ね、モロヘイヤの栽培方法もしっかり学んだ結果、美味しいモロヘイヤ麺が完成しました。
レストランのシェフが認めてくれた!
麺をたくさん作れるようになったので、地元のレストランに持ち込んで味見してもらったところ、シェフに認められ、すぐにその店で使ってもらえることになりました。そんな快挙にもご本人は「自分でも美味しいんだから、みんなも美味しいはず」と、さらり。
平成12年に秋田県内の農家レストラン第一号として「農家レストラン ゆう菜家」をオープンし、翌年には、秋田県種苗交換会の加工部門で「モロヘイヤめん」が知事賞を受賞。その後、しいたけめん、古代紫米めん、 ヤーコンめんなどを次々と開発していくことになります。

食べて納得。行列ができるワケ。
モロヘイヤめんは「かけ」「ザル」「ぶっ掛け」が選べますが、今回は「ぶっ掛け」でいただきました。
モロヘイヤは茹でるとヌルヌルになるのが特徴。モロヘイヤを練りこんだこの麺にもその特徴がでて、麺の表面がツルツルしています。喉越しがよく、ほのかにモロヘイヤの香りがしてとっても美味しい!使われているモロヘイヤは育子さんが自分の畑で丁寧に無農薬栽培したもの。鮮度抜群です。

どうしてモロヘイヤ?
もともと農家をされていた育子さんですが、農薬はできれば使いたくない派。農薬なしでは栽培が難しい野菜も多い中、無農薬でも栽培できる野菜としてモロヘイヤを選びました。「野菜の王様」と呼ばれるくらい健康にいい野菜と聞いていたことも後押ししたようです。

ハウスに生い茂る元気なモロヘイヤ
モロヘイヤが栽培されているハウスを見せていただきました。
4つのハウスには、人の肩の高さまで立派なモロヘイヤがびっしりと生い茂っていて圧倒されました。無農薬なのに虫食いもほとんどなく、葉が大きくて色も濃く、見るからに美味しそう。
土壌改良や防虫効果のある竹炭を撒く時期、ハウスの換気の頻度など、今年試した方法が大成功で特に生育が良いとのこと。
栽培を始めてから20年以上ですが、今でも改良を重ねているのですね。

肩の高さまで生き生きと生い茂るモロヘイヤ。生産担当は最近勤めていた会社を退職されたご主人
乾麺の製造秘話
ゆう菜家さんでは現在、生麺の他、乾麺の製造販売も行っています。乾麺製造に踏みきった理由は生麺の売れ行きが伸びて製造が追いつかなくなったため。
乾麺製造となるとさらに専門的な技術が必要で難しそうですが、なんと乾麺も育子さんがご自分であれこれ試して開発したのだそうです。
洗濯物を干す部屋に吊るしたところ、翌朝、全部下に落ちてしまっていたり、できたと思って茹でたら折れてしまったり、試行錯誤して完成させました。「インスタントラーメン開発の再現ドラマをテレビでみて、私と同じだと思った」と笑っていました。
ご近所の仲間たちでフル稼働
現在、ゆう菜家さんは、生産をご主人、製造と販売を息子さん、そしてレストランは育子さんが担当。レストランで調理やホールを手伝ってくれているのは、ご近所の奥さんたち。「仲間たちでやっています」とのこと。
しかし、その言葉から想像するよりもはるかに洗練されたお料理がでてきて、またびっくり。
「母ちゃんにおまかせセット」は、モロヘイヤ、しいたけ、古代紫米、ヤーコンから選べるうどんと、煮物、モロヘイヤ塩でいただく季節の野菜天ぷら、これに炊き込みご飯と香の物、デザートがついて 1,000円 だなんて… 人気が出ないはずはない!
味も盛り付けも抜群。そして量も多めなので、お客様には男性グループも多いようでした。

美味しくてボリュームたっぷりの「母ちゃんにおまかせセット」。天ぷらはモロヘイヤの天ぷら

モロヘイヤ餃子は皮にモロヘイヤが練り込んであります

モロヘイヤアイスもトロッとして口当たりがよく美味
木のぬくもり溢れる店内
お店は葉タバコの作業場だった建物を改築したそうですが、全面的に自然木で作られた落ち着きのある素敵な内装。窓からは裏庭の竹林が見え、のどかな田園風景が広がります。
この居心地のいい空間で美味しいお料理をいただきながら、ひととき安らぎの時間を過ごすために、みなさん遠方から通ってこられるのでしょう。
順番待ちの二人連れのお客さんにお聞きしてみたら、車で40分くらいかけて秋田市内から来られたとおっしゃっていました。常連さんだそうです。

内装は自然木作りの落ち着けるデザイン
パワーの源はモロヘイヤ?
人気のレストランを切り盛りされて、朝から晩まで大忙しの育子さんですが、年齢をお聞きしてびっくり(ここでは書きませんが)。見るからにお元気そうでお肌もツヤツヤ。「もしかして健康野菜モロヘイヤのおかげですか?」とお聞きしたら、「毎日モロヘイヤ食べているから仲間もみんな元気です」とのこと。
育子さんはお酒もお好きで強いそうです。モロヘイヤのネバネバが胃粘膜を守ると言われていますよ、とお伝えすると「だからたくさん飲めるのかな?」と笑っていました。

モロヘイヤのブーケを手にお店の看板の前で微笑む育子さん。実年齢より10歳はお若い!
お店の名前「ゆう菜家」の「ゆう」はこの辺りの地名「雄和(ゆうわ)」の「ゆう」。地元愛120%のお店、ゆう菜家さん。素敵です。
近隣の方はぜひ行ってみてください。モロヘイヤめんは通販でも購入できますので、ご興味のある方は、下の「WEBサイト」ボタンから「ゆう菜家オンライン」へ。
※掲載内容は取材時点のものです。ご利用の際には、直接、店舗にご確認ください。