
脱サラ新規就農&農業初心者必見!
農Tube委員会が、農業初心者にオススメする最強野菜は、モロヘイヤだった

YouTubeでモロヘイヤを熱く語る人、発見!
YouTubeチャンネル「農Tube委員会」では、野菜の話はもちろん、経営の話、制度や補助金の話、産業としての農業、農家の働き方、ひいてはTPPや日米貿易協定、ゲノム編集など、農業に関する様々なトピックを取り上げています。詳しく、真面目に、熱く解説されていて、かなり勉強されている方という印象です。
この「農Tube委員会」でモロヘイヤが取り上げられていたので、チャンネルを運営されている、松本自然農園の松本直之さんを愛知県豊田市にたずねました。
元システムエンジニアが転職に選んだのは有機農業

松本自然農園の松本直之さん。左後方は、松本さんが育てるモロヘイヤ
松本さんの前職はシステムエンジニア。会社員生活に魅力を感じず、「先の人生がなんとなく見えて」しまい、3年で退職し就農されました。
農地を借りる、資金調達、技術の習得、売り先の問題など、新規就農者にはたくさんの高いハードルがあると言われますが、松本さんは、一人でまわせる畑の広さ、栽培方法、作る野菜の種類、販売方法など、いろいろと工夫を重ねて次々にハードルをクリア。就農5年目で年収400万円を達成しました。
元システムエンジニアだけあって、多品目栽培計画をシステマチックに構築し、現在は、年間40〜50種類の野菜を無農薬、有機肥料で栽培。週2回だけ固定客に、10種類の野菜セットを送るという販売方法をとっています。

松本さんが育てるオクラの前で
「農業はおもしろいので、多くの人に農業にたずさわってもらいたい。農業を始めたい人に自分の知識や経験を伝えたくてYouTubeチャンネルをやっています。」
という言葉通り、7,000人以上いるチャンネル登録者の多くは、脱サラ新規就農を目指す方や年配のリタイヤ組など、 “第二の人生”に農業を考えている人たち。本当に真面目にチャンネルを観てくれているので、松本さんとしても非常にやりがいがあるのだそうです。
毎回10種の野菜を欠かすことなく揃えることだけでも大変なので、これ以上は固定客を増やさず、時間に余裕を作ってYouTubeや他のSNSでの発信に力を入れていきたいとのことでした。
では、お待たせしました。
農Tube委員会、最強の脱サラ新規就農「【最強】モロヘイヤの育て方 ~野菜の王様がもつ圧倒的なパワー~」をご覧ください。
モロヘイヤは初心者にも育てやすい野菜
モロヘイヤが比較的栽培しやすい理由として、松本さんがYouTubeの中で説明している点は2つ。
1つ目は気候。原産地の一つとされ、盛んにモロヘイヤが栽培されてきたエジプトの栽培地をみると、気温が高く雨も降る日本の夏に似ています。このことから、日本はモロヘイヤの栽培に適しているのではないかということです。
2つ目はモロヘイヤが他の野菜に比べ、ほとんど品種改良されておらず、原産のものに近い野菜であること。これは、自然な状態で強い植物であることを意味します。

自然農法の考え方
松本さんの農業の基本は自然栽培。生態系の根底を支える土の中の微生物を増やし、バランスの保たれた大きい生態系を作れば肥料や農薬は不要、という考え方です。こういった環境では、例えば、ある虫が繁殖しても、その天敵が出て数を減らすということが起こり、自然に均衡が保たれるのです。
実際に松本さんが露地で育てているモロヘイヤも、水を与えるだけだそうですが、虫食いもあまりなく綺麗でした。
微生物が多い、良い土壌で健康に育った野菜は、あまり虫にも食われないのだそうです。健康な人の免疫力が高いのと似ていますね。

小規模農家はファン作りが何より大切
松本さんは“健康な野菜”ということにこだわって野菜作りをしています。その理由はシンプルで、健康な野菜が一番美味しいから。
そのために行っていることは、
・美味しい品種を選ぶ
・肥料や農薬を極力使わない栽培方法を選ぶ
・旬のものを提供する
・鮮度のいい状態で提供する
この4つだそうです。
ここに付加価値を感じている方たちが、松本自然農園のファンでありお客さんなのです。
小規模農家として生き残っていくためには、このファン作りが何より大切、と松本さんは言います。
そのためには、農家は、栽培方法ばかりではなく、売り方も学ばないといけません。せっかく就農しても、売り先の確保ができずに辞めてしまう農家が多いのは残念なことです。
自立できる農家を増やしたい。そのためも自分の発信を役立ててもらいたい。
そんな思いを胸に、農作業の効率化でできた時間のほとんどをYouTubeでの講座や、講座の準備のために使っている松本さん。
今後も、新規就農者のみなさんや農業に興味を持つ多くの人たちのため、日本の農業の未来のために、発信をよろしくお願いします!