フランス地方料理レストラン MOMOKA
神戸・御影のフレンチレストラン「MOMOKA」でモロヘイヤのスープを出していると聞き、さっそく行ってきました。
MOMOKA は、フランスの地方料理が食べられるお店。
神戸で野生の鹿や猪の料理を食べるならココ!と、ジビエファンにも定評があります。
そんな MOMOKA が作るモロヘイヤスープは、「モロヘイヤとオクラと長芋のスープ胡麻風味」。
「さすが!」と思わず唸る、滋味溢れる美味しいスープでした。
チキンやウサギのスープがベースになることが多いモロヘイヤスープですが、MOMOKA では、ベーコンや鴨肉で旨味をアップしています。
使われているモロヘイヤは、姫路の有機無農薬栽培農家のもの。オクラや長芋も入り、ネバネバ素材が3つですが、ミキサーにかけてあるので口当たりも良く、とっても美味!
かすかに感じる「和」テイストは、隠し味に使われている練りゴマだそうです。
スープの他、前菜には、猪のテリーヌと猪のリエット(パテ)。メインには、フランス南部ラングドックの地方料理「カスレ」と「骨つき鹿の首肉の赤ワイン煮込み」をいただき、創業者の三村保則シェフに MOMOKA の料理と食材へのこだわりについてお聞きしました。
「洗練されたコースのフレンチも、元になっているのは、一般庶民が、地元の食材を使って食べていた地方料理。そのような庶民のフランス地方料理を出している当店では、食材の、そのままでも美味しく高級な部分だけを使うのではなく、彼らと同じように、肉も野菜も、隅々まで丸ごと使います」と三村シェフ。
三村シェフは、ジビエの肉を、猟師から直接買います。自分の目で確かめ、時には、解体作業の現場に出向いて手伝い、丸ごと購入。技術を駆使し、手間をかけて、他所では捨てられてしまうような部分も含め、余すところなく使って美味しい料理に仕上げるのです。
例えば、今回いただいた鹿の首。運動量が多い首の筋肉は、堅いけれど旨味が凝縮されていて、赤ワインで柔らかく煮込むと、骨の髄まで美味しい煮込み料理になります。
フランス南部、ラングドックの地方料理カスレは、色々な料理に使い余った肉と白インゲン豆を煮込んで、オーブンで表面を焼く料理。
MOMOKA のカスレには、牛、豚、鶏、鹿、猪、鴨の肉に、白インゲン豆やヒヨコ豆、そしてカボチャやナスなどの野菜もたっぷり入っています。
さらに、パン粉をふりかけてオーブンで焼いてあるので、表面はこんがり!色々な味のハーモニーが楽しく、とても美味しい一品です。
里山の保全や環境問題、フードロスなど、社会問題にも関心が深い三村シェフ。
兵庫県では、増えすぎた鹿が畑などを荒らし問題となっていますが、三村シェフは鹿肉を有効利用する活動にも参加しています。
赤ちゃんが生まれて100日目の「お食い初めの儀式」を「百日(ももか)の節句」といいます。
MOMOKA は、「生まれて初めての食事から、長いお付き合いをしたい」という願いが込められた店名なのだそうです。
私たちは、生まれた日から毎日毎日、動物や植物の命をいただき続けて生きています。
どんな食材も無駄にせず、丸ごと使うという三村シェフの、食材に対する真摯な姿勢は、そのことを私に思い出させ、食材に感謝する気持ちが湧きました。
ありがとう。いただきます。
※掲載内容は取材時点のものです。ご利用の際には、直接、店舗等にご確認ください。