モロヘイヤ効果研究所
モロヘイヤの基礎知識

モロヘイヤの食べ方

モロヘイヤは、ホウレンソウやコマツナなどと同じように、葉と茎を食べる野菜です。
茹でたり、炒めたりして、いろいろな料理に使えますが、特徴は茹でて刻むとオクラのような粘りが出ること。この粘りによって、のどごしが良く、胃に優しい料理ができます。

モロヘイヤのネバネバは水溶性食物繊維です。

茎の根元が堅ければ切り落とします。

モロヘイヤの旬

インド西部から北アフリカが原産のモロヘイヤは、日本では7月〜10月が収穫時期。沖縄などの一部の暖かい地域を除いて、一般的に店先に並ぶのは初夏から秋口まで。冬の手に入りにくい時期には、ネットショップなどで購入できる冷凍モロヘイヤを使うのもおすすめです。

シュウ酸について

モロヘイヤにはシュウ酸が含まれています。シュウ酸は一般的に「アク」と呼ばれるもので、ミネラルと結合してシュウ酸塩を作ります。

ヒトの体内では、シュウ酸塩が沈着して尿路結石の原因になりますので、結石の持病のある方などは注意が必要です。また食品中のカルシウムや鉄などのミネラルの吸収を妨げるという報告があります。
そのため、カルシウムや鉄分の多い食品と一緒に食べると良いとされています。

シュウ酸の多い野菜としては、ホウレンソウやタケノコが有名ですが、モロヘイヤにも、ホウレンソウの半分くらいの量が含まれます。

●100gあたりのシュウ酸含有量

モロヘイヤの数値:

三重県農業技術センター研究報告『保蔵および調理によるモロヘイヤの成分含量の変化』より
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2030652132.pdf

モロヘイヤ以外の数値:

厚生労働省委託事業 公益財団法人日本医療機能評価機構のウェブサイトより抜粋
https://minds.jcqhc.or.jp/n/cq/D0003085

※モロヘイヤのシュウ酸量の数値は、複数の研究結果によって、100gあたり165mg〜500mgくらいの幅で報告されています。

シュウ酸の多い野菜は、料理の前に下茹でして使うことが奨励されています。

しかし、生で食べることの多い野菜でも、キャベツやレタスなどのようにシュウ酸が多いものもあるので、よほど大量に毎日食べたりしない限り、それほど気にする必要はありません。

ただし、結石が気になる方は、量を制限したり、下茹でや調理を工夫したりしてください。
(以下の<下茹で方法>や<調理の工夫>をご参照ください)

<下茹で方法>

沸騰した湯にモロヘイヤを入れ、1〜2分茹でてから湯を捨て、冷水で冷やします。
お湯を捨てるのは、お湯の中にシュウ酸が出ているから。冷水は鮮やかな色を保つためです。

モロヘイヤの下茹で

1〜2分茹でてから、冷水で冷やします

<調理の工夫>

小魚などのカルシウムを一緒に摂ることで、予めシュウ酸がカルシウムに結合するので、体内での沈着が起りにくくなり、結石のリスクが軽減されます。

じゃこをのせたモロヘイヤ

種とさやに注意

モロヘイヤの種とさやには、強心配糖体が含まれています。強心配糖体は、薬としても使われる物質ですが、誤って食べると中毒を起こす可能性があります。

モロヘイヤに含まれる強心配糖体については、「モロヘイヤに含まれる強心配糖体について」のページに詳しく説明を載せていますので、ぜひご覧ください。

モロヘイヤ専用包丁「マハラタ」

今のようにミキサーなどない時代から、モロヘイヤを刻んで食べていたエジプトには「マハラタ」というモロヘイヤ専用の包丁があります。両手で持って左右に動かしながらモロヘイヤを簡単に刻むことができます。

モロヘイヤの保存方法

モロヘイヤは、他の葉野菜同様、あまり日持ちしません。基本的には新鮮なうちに食べるのがベストです。

保存が必要な場合は、多少湿ったペーパータオルにきっちり包み、ビニール袋にいれて、冷蔵庫や涼しい場所で保存します。これで1週間くらい保存できます。

長期間の保存が必要な場合は、さっと茹でて小分けにし、冷凍保存するのもいいでしょう。茹でたままや、茹でて刻んだものを冷凍しておくと、必要な時にすぐに使えて便利です。
モロヘイヤは。解凍しても、味や粘りがあまり変わりませんので冷凍保存におすすめの野菜です。

モロヘイヤを使った料理

<おひたし・和え物>

独特の食感のあるモロヘイヤは、おひたしや和え物におすすめの野菜。
作り方はとっても簡単。モロヘイヤを適当な大きさに切って、さっと茹でます。茎が少し硬い場合は、茎を30秒くらい先に茹で始めます。1〜2分でざるに上げ、冷水をかけたあと水気を切ります。そのままでもいいのですが、さらに刻むとモロヘイヤの特徴である粘りが出てきます。細かく刻めば刻むほど粘りが出ますのでお好みで。
そのまま醤油などをかけておひたしや、生姜やミョウガ、ネギなどを刻んで和えても美味しくいただけます。オクラや納豆、山芋などのネバネバ食材と混ぜ合わせると、ネバネバ食感が楽しめます。

モロヘイヤのおひたし

モロヘイヤ納豆

<味噌汁・スープ>

味噌汁やスープの具にもおすすめです。
軽く刻んでそのまま使ってもいいのですが、お浸しを作る要領で茹でて刻んだネバネバのモロヘイヤは汁にとろみをつけ、美味しいスープになります。
本場エジプトのスープはチキンスープのベースが多いようですが、味にクセのないモロヘイヤは、味噌汁にも中華風スープにも良く合います。

モロヘイヤの味噌汁

エジプト風モロヘイヤスープ

<ご飯や麺類のトッピング>

茹でて刻んだモロヘイヤに生姜やネギを刻んで加えた和え物を、ご飯に載せて「麦トロご飯」のようにしていただきます。また、うどんやそば、ラーメンなどのトッピングにもどうぞ。モロヘイヤのネバネバが麺やご飯に絡んで、喉越しも良く、栄養価もアップします。

モロヘイヤ丼

モロヘイヤラーメン

<炒める・揚げる>

ホウレンソウやコマツナなどと同じように、炒め物に使えます。葉物野菜が少なくなる夏場の野菜炒めなどに重宝します。モロヘイヤの栄養素をなるべく逃さないよう、さっと短時間で炒めるのがコツ。
モロヘイヤの葉は、天ぷらやかき揚げなど、揚げ物にもおすすめです。衣をつけずに、水分を飛ばしたモロヘイヤをそのまま素揚げにしても美味しくいただけます。
モロヘイヤに豊富に含まれるベータカロテンは脂溶性のため、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。

鶏肉とモロヘイヤの炒め物

モロヘイヤの天ぷら

<混ぜる・練り込む>

茹でて刻んだモロヘイヤを卵に混ぜて、だし巻き卵やオムレツに。ハンバーグのタネや餃子の餡に混ぜる、お好み焼きに混ぜるなど。モロヘイヤのネバネバでとろみをつけた、ヘルシーなカレーもおすすめです。また、うどんやパン生地に練り込むこともできます。この場合、モロヘイヤの粉末を使う方法もあります。

モロヘイヤ入り卵焼き

モロヘイヤ入りハンバーグ

モロヘイヤ入りの麺

モロヘイヤ入りシフォンケーキ

<ジュースやスムージー>

茹でたモロヘイヤを他の野菜や果物と一緒にミキサーにかけ、栄養満点のジュースやスムージーに。ヨーグルトをミックスすれば、食物繊維が豊富な腸活ドリンクとしてもおすすめです。

モロヘイヤ入り生ジュース

モロヘイヤ入りスムージー

モロヘイヤ料理のレシピはモロキッチンのページをご覧ください。

モロヘイヤの基礎知識