モロヘイヤ効果研究所
内山葉子

原因不明の体の不調は、
おなかのカビが原因かも!?

葉子クリニック 院長

内山 葉子 先生

腸内細菌を増やし、腸内環境を良好に保つために摂るべきものといえば、乳酸菌や食物繊維。今では常識と言ってもいいほど、浸透していますよね?

ところが、乳酸菌や食物繊維をしっかり摂って、ヘルシーな食事を心がけているにもかかわらず、体調が悪く、なかなか改善しない人がときどきいます。

おなかのカビが病気の原因だった(日本人の腸はカビだらけ)』の著者、内山葉子先生によると、その原因はおなかのカビかもしれない、とのことです。
内山先生のクリニックを訪ね、詳しいお話を伺いました。

葉子クリニック

「おなかのカビ? 初めて聞く!」という人に、少しご説明

私たちの腸には100兆個もの腸内細菌のほか、ウイルスや、人によっては寄生虫などもいて、実はカビ(真菌)も存在しています。

カビの数は通常、腸内に常在する微生物の1%程度。健康な時には、その活動は腸内細菌に抑えられていて問題になりません。

ところが、いろいろな要因で増えてしまうことがあり、その結果として、下痢・便秘・腹痛などおなかのトラブルだけでなく、発疹などの皮膚トラブル、頭痛、関節痛や倦怠感、抑うつなど様々な症状をひきおこすことがあるらしいのです。

どんな時にカビが増えてしまうのでしょう

では、何が原因でカビが増えて悪さを始めるのでしょう。

内山先生によると、ひとつの要因として「抗生物質の乱用」があるそうです。

抗生物質の多くは、細菌の細胞壁を壊すことで細菌をやっつけます。病気の原因になる有害な細菌を死滅させる目的で使われますが、実は有害な細菌だけではなく、体に必要な腸内細菌も殺してしまいます。

一方カビは、細胞壁の材質が細菌とは違うため、抗生物質では死にません。抗生物質で腸内細菌が減ってしまうことにより、結果的にカビが増殖してしまうのだそうです。

必要な場合には、もちろん使うべき抗生物質ですが、安易に使うのは問題があるとのことです。

また、カビの主な栄養源が炭素であるため、炭水化物の取りすぎも要注意。なかでも、砂糖などの糖類は爆発的にカビを増やします。

普段は腸内環境に良いとされている食物繊維さえも、カビが増えてバランスが崩れた状態では、カビの栄養源になって、ますますカビを増やす原因になるので注意が必要です。

カビが増えると、どうして体調が悪くなるのでしょう

腸には、体の免疫機能の7〜8割が集まっていますが、カビの増殖により腸内細菌の働きが低下し、免疫力が落ちてしまいます。

また、カビは腸壁に食い込んで増えるため、腸が炎症を起こして、フィルター機能が低下します。その結果、異物や有毒な物質も体内に入り込んで体にダメージを与え、あらゆる病気を引き起こす原因になると考えられています。

海外では、おなかのカビの研究が進んでいる

カビと病気の研究は、日本ではあまり盛んではありませんが、米国など、海外では進んでいます。内山先生がお腹のカビに注目するきっかけになったのも、アレルギーや自閉症のことを調べていて出会った、海外の文献だそうです。

腸内のカビの影響は、アレルギーや自閉症だけでなく、消化器の疾患、発達障害や、パーキンソン、アルツハイマーなど脳の疾患、脂肪肝などの肝障害、自己免疫疾患、化学物質過敏症、低血糖、精神疾患から虫歯、頭痛などの症状まで、さまざまな疾患・症状との関係が次々と明らかになりつつあるのです。

内山葉子

西洋医学だけにとらわれない医療

内山先生は、大きな病院での勤務医経験の後、「西洋医学だけにとらわれず、幅広い治療法を取り入れた医療を行いたい」という理由でクリニックを開業されました。

漢方などの東洋医学、栄養学、化学物質、気功、住環境の影響、ホメオパシーに至るまで、常に情報収集や研究を続け、患者さんの治療に生かしています。

先生はご自分のクリニックには、そういった巷の様々な健康情報を整理して、有効なものを患者さんに届けるという役割もあるのだといいます。

治療を広い視野で捉えている内山先生だからこそ、病気の原因としてお腹のカビに注目することができたのではないでしょうか。内山先生の治療に賛同する方は多く、クリニックには全国から患者さんが訪ねて来られているそうです。

腸内環境で大事なのは多様性

内山先生によると、腸内環境でもっとも大切なことは、ダイバーシティ(多様性)。カビも含め、多種多様なものが存在することが重要であり、良いとされるものでも、1つのものが増えすぎて、全体のバランスが崩れた状態は良い状態ではないといいます。

腸内環境を左右する要因として、遺伝的な要因やストレスの有無、加齢による影響などもありますが、食事は一番自分でコントロールしやすい方法。だから、まず食事を改善することが望ましい方法です。加工品や化学物質、有害金属などはなるべく避け、有機農法などで作った栄養価の高い食物を摂ることが大事とのことです。

お腹のカビが増えている心配があったら…

もし、あなたがどこの病院でも「異常なし」とされる原因不明の症状を抱えているとしたら、もしかすると「お腹のカビ」が原因かもしれません。

まずは、腸内環境を整えることですが、努力してもなかなか改善しない場合には、医療機関で検査の上、抗真菌薬などで治療する方法もあります。

腸管内の真菌(カビ)の異常増殖は、尿中の代謝産物を測定する「有機酸検査」によって調べることができます。この検査は保険適用外ですが、実施している病院は全国にあるそうですので、調べてもらうといいかもしれません。

葉子クリニック

北九州市にある葉子クリニック

内山葉子先生の著書

内山葉子先生の著書。どれも興味深い内容です。

取材を通して

「腸内環境を良好に保つ」ことが、あらゆる病気を近づけないために大切なのだと改めて思いました。

そして、「原因不明」と言われて苦しんでいる方の症状が、カビを減らす対策をとることで改善する可能性があるということを、多くの人に知っていただきたいと思いました。

この度は、お忙しい中取材に応じてくださって、ありがとうございました。

内山葉子先生 プロフィール

福岡県出身。関西医科大学卒業。大学病院、総合病院で腎臓内科・循環器・内分泌を専門に臨床・研究を行った後、福岡県北九州市で葉子クリニックを開設。現在、同クリニック院長。医学博士、総合内科専門医、腎臓内科専門医、ホメオパシー専門医。

『おなかのカビが病気の原因だった(日本人の腸はカビだらけ)』