監修:管理栄養士 平井美穂先生
第12回
<ビタミンB群 ③>
肉類や魚介類など動物性食品に多く含まれる、ビタミンB群ですが、野菜の中ではモロヘイヤのビタミンB群の含有量はダントツです。野菜には含まれないビタミンB12は別にして、その他の7種類は、どれも高い含有量を誇っています。
ビタミンB群には、複数の種類のビタミンBを同時に摂ることで、より効果を発揮するという性質があります。その意味でも、モロヘイヤは、ビタミンB群を摂るのに適した野菜だと言えます。
動物性食品との比較ではどうでしょう?
下の表では、肉類とモロヘイヤのビタミンB含有量を比較してみました。
レバー類はビタミンB含有量がかなり高いのですが、日常的に頻繁に食べる食材ではないですよね。日常的に食べるロース肉、バラ肉、モモ肉などの数値とモロヘイヤの数値を比べてみると、モロヘイヤのビタミンB含有量は、肉類にも引けをとらないくらい多いことがわかります。
PROFILE
監修:平井美穂(ひらいみほ)
管理栄養士 / 食物栄養学修士 / 調理師 / NPO関西ウエルネス研究所理事
平井外科胃腸科クリニック(神戸市東灘区岡本)、その他透析病院等を含め医療機関にて栄養指導を行う。
百貨店・食品メーカー講師、レシピ提案など、乳幼児から高齢者までを対象に幅広い年齢層に対し、食と健康に関する講演会や料理講習会を行う。
管理栄養士
平井先生のひとことコメント
ビタミンB群を効率よく摂るためには、肉や魚、卵、レバーなどの動物性たんぱく質を不足しないように摂ることは大切ですが、だからと言って食事が動物性たんぱく質に偏れば、胃や腸が疲れるだけでなく、血液は酸性に傾き、コレステロールなどの血中脂質は増え、肥満や生活習慣病の引き金にもなりかねません。
栄養のバランスを考えて、野菜からもビタミンB群を摂ることが望ましい形です。
モロヘイヤやオクラをはじめとしたネバネバ食品が疲労回復や滋養強壮に効くのは、胃を保護する粘性多糖類と、エネルギーの代謝を促すビタミンB1などのB群が多いからなのです。
モロヘイヤは、野菜には含まれないB12以外の「全てのビタミンB群を持つ」優れた野菜。その含有量も、他の野菜に比べて群を抜く豊かさです。
「野菜の王様モロヘイヤ」を動物性たんぱく質と合わせて摂り、毎日を元気に過ごしましょう!